コラム

スリムエコ製品「ケーライン」で提案する環境配慮
~ 看板・ファサード照明に期待される環境ニーズ ~

【照明・その他】2009年7月1日 印刷表示

スリムエコ製品「ケーライン」で提案する環境配慮
~ 看板・ファサード照明に期待される環境ニーズ ~



1.環境配慮が求められる社会的背景
 昨年の洞爺湖サミットは、地球温暖化、資源枯渇等の環境問題でも重要なサミットとなり、京都議定書の第一約束期間に入り低炭素社会の構築は急務となっています。改正省エネ法では、これまで一定規模以上の工場に対しエネルギー管理の義務を課していましたが、改正により事業者単位のエネルギー管理を義務づけることとしています。また、一定の要件を満たすフランチャイズチェーンについても、チェーン全体を一体として捉え、本部事業者に対し、事業者単位規制の規制と同様の措置を講ずることとしています。これにより、業務部門に多く見られる中小規模の事業場を数多く設置する事業者を新たに義務の対象に加えるとともに、産業部門を含め、事業者の経営判断に基づく効果的な省エネルギーの取組を推進していきます。(参考:省エネルギー庁ホームページ)

2.市場ニーズと環境ビジネス
 改正省エネ法の対象となった商業施設や外食産業・コンビニ等に法的要求がなされると、サイン・ディスプレイの施主である企業の具体的な省エネ対策に展開します。企業によっては地球温暖化防止活動やCSR(企業の社会的責任)の観点から空調や照明設備等で省エネ対策を実施している施設も少なくありません。そこで、更なる省エネ・環境配慮推進では看板やファサード照明の対策が重要になります。しかし、看板を暗くする省エネ対策では集客や売上げに関わります。サイン・ディスプレイ本来目的のPR効果やファサード演出を向上して省エネや廃棄物削減等の対策ができ、コストを考慮し、薄型・軽量化などの付加価値を付けた製品・施工が市場ニーズになります。
市場ニーズに応えたサイン・ディスプレイ業様の提案が、低炭素社会の構築に貢献した環境ビジネスに繋がるものと確信します。

3.看板専用蛍光灯の環境配慮提案
① 蛍光灯とLED
 現在、LED照明のエネルギー消費効率(lm/W:ルーメンパーワット)は約30~50lm/W、蛍光灯照明は約70~110lm/Wで約2倍の高効率。つまり、同じ照度では蛍光灯照明が1/2の消費電力となり、価格も安く、光量が必要な看板の省エネには有効です。指向性に優れている点光源のLEDと面光源の蛍光灯、特に省エネの高周波点灯専用形蛍光灯等、異なる特長の光源を使い分けた看板照明が期待されます。
② 看板専用のスリムエコ製品「ケーライン」
 スリムエコ製品「ケーライン」FLKシリーズは、サイン・ファサード照明の環境配慮とPR効果向上を目的に開発した看板専用の蛍光灯で、細管で高輝度な蛍光ランプは省エネの内照式看板や導光板看板に最適で、ランプ灯数を減らすダブルエコの看板リニューアルにもお勧めです。
■ ケーラインの概要
 高周波点灯専用形蛍光ランプを、看板専用仕様の管径15.5mm(T5) の細管で製品化(一般蛍光ランプは管径32.5mm)。1~3灯用の専用安定器と組合せて屋内外の看板に環境配慮を推進する蛍光灯システムです。
一般蛍光灯に比べて、約30%の省エネ・ランニングコスト削減を実現、ランプ質量は1/2・体積は1/4、主要ランプ寿命は20,000時間以上で、廃棄物量は1/4 ~ 1/2となり、廃棄物でも環境配慮・コスト削減に大きく貢献、製造段階の省資源・流通段階の環境負荷軽減から、LCA(ライフサイクルアセスメント) の総合的CO2削減にも貢献します。
■ どうして看板専用
 内照式・導光板式看板等の密閉度が高く内部の周囲温度が高くなる条件下で一般蛍光灯を使用すると明るさが低下します。一般蛍光ランプの光出力ピークが25℃に対して、ケーラインは35℃の光出力ピークで開発、明るさの低下が少なく高効率でチラツキの少ない照明を実現しています。
 一般蛍光ランプとは異なった専用ランプ管長を揃えることで、様々な看板で合理的なランプ灯数での美しい施工を可能にして省エネ・経済性にも繋がる。管長は375、470、500、580、630、650、683、795、830、910、985、1100、1200、1350、1410、1454mm と16品種をラインアップし、デザイン性を向上した薄型看板や導光板看板等の製作を可能にして、多灯用安定器は導入時のコスト削減、看板の軽量化と施工性・安全性にも貢献します。
■ 鮮やかさと雰囲気を創る光源色
 ケーラインの光源色は、グリーン購入で推奨する三波長形の3色を揃え、主流の昼光色ED、暖かい雰囲気を演出する電球色EL、そして、プリンス独自の鮮白色NDで、色温度7500K、平均演色評価数 Ra93で色温度も演色性も高く、さわやかで自然な見え方は明るさ感を増した鮮明で色あざやかな演出が内照式看板に最適です。

4.ケーライン環境配慮の効果例
例えば、大型ポスターサイズ看板B0版1456mm×1030mmの施工で、一般蛍光ランプ施工では、FL40形(管長1198mm)では短く、FL32形(管長830mm)とFL20形(580mm)を組合せ一列にして5列施工で合計10本のランプと10台の安定器で施工。これに比べ、ケーライン施工では合計5本のランプと2台の多灯用電子安定器で施工でき、ケーライン効果と灯数も減らすダブルエコ効果に加え、端まで明るく約14%の明るさアップでデザイン性も向上し、安定器の発熱低減、ランプと安定器の重量合計では約5kg(従来6,370g、ケーライン1,415g)の軽量化が図れ、看板取付け費の低減や安全配慮へも貢献します。(FLK37ED/1410での当社測定)また、導光板看板の例(写真)では、幅1,000mmの導光板(厚み8mm)のエッジ両サイドにケーラインを設置して光を照射、両サイドのみの照射でも均一な光での導光板発光を実現します。

5.ご案内
ケーラインは、自治体や企業がグリーン購入の参考にする「エコ商品ねっと」に看板専用蛍光ランプとして初登録された製品です。


(雑誌「S&D」への執筆をホームページ用にアレンジした文章です。)

2009年7月1日
企画業務部 東使弘三郎